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税務小六法

TAX DICTIONARY
税務小六法では、会計・税務に関わる基本的な制度から耳より情報まで幅広くご紹介しております。
随時、項目を追加していきます。

会社設立関係

会社をつくるデメリット

会社をつくるメリットは、前回記載しましたが、メリットがあるということは当然デメリットもあります。

(1)会社にすると維持運営費コストが増える

まず、会社を設立するのに費用がかかります。専門家に頼まないで事業主自身で設立手続きをした場合、設立に係る費用は株式会社で約24万円です。
ちなみに当事務所で設立すると、事業主自身で設立する場合より5,000円安く(総額23万5千円)で設立することが出来ます。
また、平成18年の会社法改正で新たに導入された合同会社(日本版LLC)であればご自身ですれば約10万円で設立できます(当事務所では9万円で設立します)。

次に、代表的なランニングコストとして社会保険料です。
個人事業の場合、従業員が5人未満であれば社会保険の加入は任意ですが、会社であれば社会保険に加入する義務があります。
健康保険と厚生年金保険は会社と従業員で折半負担ですが、労災保険は全額会社負担となります。
現実問題として、全ての中小企業が社会保険に入っているわけではありませんが、ルール上は強制加入となっています。
社会保険は保険料が高いイメージがあるため、敬遠する方もいらっしゃいますが、掛金は報酬に比例するため、報酬が安ければ掛金も安くなりますし、扶養家族数、税金等を考慮すると国民健康保険や国民年金よりも掛金は安くなるケースもあります。
また、各種給付も手厚いので社会保険は前向きに加入を検討しましょう。特に従業員を雇う予定があるなら、従業員のためにも加入すべきです。

(2)交際費の取扱い(平成25年4月以降開始事業年度)

個人事業では、「業務の遂行上必要」であれば、全額必要経費として認められますが、会社だと取扱いが変わってきます。
まず、資本金が1億円以上であれば、交際費は全額必要経費になりません。
1億円以下であれば、年間の交際費の800万円までは全額経費として認められますが、800万円を超える額は必要経費にできません。(平成25年4月以降開始事業年度)
ただし、参加者の氏名等を記載した一定の書類を保存している場合には、一人当たり5,000円以下の飲食費等は課税交際費に該当しなくなっています。

このように、交際費に関しては、個人事業の方が有利と言えます。
しかし、個人事業の場合は、事業とプライベートの区別がつきにくいため、あまりに多額の交際費を計上すると、税務調査で否認される可能性があります。

(3)自由に事業資金を使えない

個人事業であれば、事業で稼いだお金を自分の生活資金にすぐに充てることができます。
しかし、会社であれば、個人の財産と明確に分ける必要があるため、会社のお金を経営者が自由に使えなくなります。
例えば、会社と経営者でお金の貸し借りをする場合にも、金銭消費貸借契約を結んでおく必要があります。

(4)登記や税金の手続きが煩雑

登記についても、登記事項(会社の商号、本店及び支店の所在場所、目的、資本金の額発行可能株式総数、発行済株式の総数並びにその種類及び数、取締役の氏名、代表取締役の氏名及び住所、公告方法等)に変更があれば、登記費用がかかります(例:役員変更の登録免許税1万円)。

また、税金面についても、個人の確定申告よりも税務申告が複雑になるため、税務の専門知識が必要となります。
会社であれば、税務メリットの適用もれを防ぐためにも税理士に依頼する方がベターでしょうが、その分コストもかかります。

上記にように、会社を作るデメリットはあります。よって、各々のケースでメリットとデメリットを比較し、法人化を検討しましょう。

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