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税務小六法

TAX DICTIONARY
税務小六法では、会計・税務に関わる基本的な制度から耳より情報まで幅広くご紹介しております。
随時、項目を追加していきます。

会社設立関係

交際費の有利・不利

事業を円滑に行うには、自社の製品・サービスを購入してくれる取引先と円滑な関係を築くことが必要であり、得意先とコミュニケーションを図ったり、商談の場として、個人事業主や会社の役員・社員が得意先を接待するということは、商慣習上、重要な営業活動とであります。

さて、この交際費ですが、個人事業主と会社とで、税務上の取扱が若干変わってきます。
まず、法人税法上の交際費の定義ですが、交際費とは得意先・仕入先その他事業に関連のある者に対する接待・供応・慰安・贈答これらに類する行為のための支出する費用のことをいいます。

交際費に近い科目として、広告宣伝費があります。
広告宣伝費は不特定多数の者に対してカレンダーや手帳、試作品を配ったり等、広告宣伝効果を意図して支出するものをいいます。
同じ営業上の費用でも、交際費と分けて定義されるのは、交際費は税務上、無条件に全額を損金で処理することはできないからです。

交際費を全額経費として認めない理由は、税金を払わないように交際費が多額に使われることを防ぐことや、冗費の節約により企業資本の強化を図るという政策的理由によるものであります。

従来は、資本金1億円以上の会社は全額損金不算入、1億円以下の中小法人は600万円までは9割が損金算入できましたが、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点から税制が改正され、平成26年4月以降は、交際費等のうち飲食費に限っては、その支出額の 50%を損金算入できる措置が創設されました。また、中小法人については、現行の定額控除限度額(800 万円)との選択適用が可能となります。

なお、参加者の氏名等を記載した一定の書類を保存している場合には、一人当たり5,000円以下の飲食費等は課税交際費に該当せず全額損金算入が認められます。

個人事業では、業務の遂行上、直接必要であったことが明らかにされる部分の金額について、必要経費に算入できるとされています。
個人事業であれば、法人のような制限がないため、交際費に関しては有利と言えますが、個人事業の場合は、個人的な付き合いのプライベートな飲食なのか、業務上必要な飲食なのかの区別が難しいため、多額の交際費を計上すると、税務調査で否認される可能性があります。

上記のように、交際費の額が800万円を超えるのであれば、個人事業の方が有利となりますが、交際費の額が800万円以下であれば、法人の方が交際費として認められやすいため有利となります。 ただし、交際費が800万円を超える会社は、売上も利益もそこそこ大きいと考えられるため、全体の税金を考慮するとそもそも法人形態を選択していると考えられます。

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